4/25 いつつぼし @道頓堀ZAZA

今週のお題「私がブログを書く理由」

いつも見学している、毎週月曜日に行われる京都錦湯でのネオ落語セントラルは、中瀬さんが毎回ブログにレビューを書いてくださっているのだけど、そのお返しとして

今週は主宰者の月亭太遊氏がこちらに出演されるということで、自分は大阪に足を運び、感想を書くことにした。

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今回が第一回目となる「いつつぼし」は桂優々氏が発起人、

米朝一門の彼が他の一門からそれぞれの若手実力者に声をかけた結果、結集されたのが

露の紫(露の五郎兵衛

桂福丸(桂春団治

桂華紋(桂文枝

月亭太遊(月亭)

というバラエティ豊かな面々、客入りも第一回目にしては上々の入りの中、開演された。

トップは桂福丸「道具屋」京大卒のインテリでもある福丸氏は叔父の仕事の道具屋を手伝うアホを丁寧に描写していく。結果、便所の近くしか場所を確保できなかったという情景をありありを想像できる落語世界を描き切っていた

 

二人目は桂華紋「阿弥陀池」以前、天満の「噺カフェ」を訪れた時、店主に太鼓判を押された落語家、桂華紋氏。その言葉の通りのうまさ、笑いどころを外すこと無く、押出しだけではない、きっちりとお客さんに気を引きつける技術を五年目にして持っていた。自身の出身大学なども織り交ぜつつ、汗をかきつつの熱演。

 

中トリ三人目は月亭太遊「幻影百貨店(マーヤーデパート)」今回唯一の新作落語で、これをネタおろしした時は全然ウケなかったというエピソードを話しながらも、今回の席では笑いをかっさらっていった。太遊氏の落語は、突如話が概念的、抽象的なトーンに飛ぶというようなギャグが多いのだが、例えばそれは古典の途中に突然現代の話題や素に戻るといったギャグと反対方向のアプローチをとることがあるのだが、それがお客さんの年齢層やリテラシーによって反応に大きく差が出る。今回は爆笑をとっており、この席に来ているお客さんの良さを感じさせた。

 

休憩を挟んでモタレの四人目は露の紫「悋気の独楽」女性落語家は本来男芸である落語をするのは不利であると言われたりするのだが、それを逆に女性ならではの演じ方を探っている露の紫氏、「女の嫉妬」をテーマにして、やり過ぎるとどぎつくなってしまう世界を奥さんの可愛らしさを残しつつ、女中と奥さんの関係で家の中の女性の立場を描き出す。これは落語のフェミニズム読解かもしれない。いつか露の紫氏のやる「たちきれ」を見てみたい。

 

大トリの五人目は発起人、桂優々「くっしゃみ講釈」途中にあるのぞきからくりの口上から講釈師の語りまで、様々な語りの芸を要する話である。優々氏は主人公の直情的な阿呆をいきいきと演じ、やっている内に楽しくなっていくようなのぞきからくりの口上を披露、会場を明るくわっと沸かせた。

 

5人のネタをたっぷり聴いた二時間半、上方落語での若手実力派の揃い、それぞれが落語を通して向かう方向の違いを見せつつ、統一感もあるとても良い会だった。これはどんどん大きい会になっていくのでは。是非5回10回と大きくなった暁には、林家一門と笑福亭一門も加えて「ななつぼし」が開かれることを切に願う