mixiレビュー1

2006年02月06日

声の網 (角川文庫)

声の網 (角川文庫)

ショートショートの代名詞として活躍した氏の1970年作の連作。復刊

あんまりネタバレはしたくないので突っ込んだことは書きたくないので内容は触れません

星氏の評価は生前は決して高いものではなかったように思う。ショートショート作家であったがために
短くて読みやすい、という点が子供向けととられ、幼稚な作風だという的外れな意見があったように思うからだ。
「ブランコの向こうで」の増刷や本書の復刊は新たな氏への評価へとつながっていることを感じさせる

2006年02月23日

世界は密室でできている。 (講談社文庫)

世界は密室でできている。 (講談社文庫)

舞城の作品は駄目だね。
文章が荒いし、めちゃくちゃだ。まあ勢いで読む今の人にはいいんだろうけど
ミステリーとしても、問題提示と次には解決してしまうし。忍耐力のない現代人向け。
あと、エモーションが過剰すぎる。まあ、今ドキの人にはこんくらいじゃないと伝わらないんだろうけど。
そんな脂っこくて塩分高め、粗雑なジャンクフードのような作品
これをおいしいと思うかどうかは自分次第。僕は大好き

2006年03月30日

Give Me More!

Give Me More!

楽しすぎる。もうレビューとかめんどくさいんでしないくらい楽しいアルバム。
タイ人と日本人とイギリス人の男女ゲイヘテロ含むめちゃくちゃバンドのルックスが表すとおりの音楽の快楽刺激要素だけを集めたような音楽です。これがタイから出てきて日本発売がエイベックスってのも面白すぎる。元スウェードのドラム含めあらゆるものを取り込んでしまう暴力性と寛容性に満ちた、というか無秩序を無秩序のまま受け入れる上座部仏教的な素晴らしさ,ミラーボールのような反発の輝きに満ち満ちております。オススメ

満点でもいいのですが、新メンバーのかわいいベースの子がジャケに写ってないという不純な動機で一つ減点

2006年06月20日

ショートショートの広場 (講談社文庫)

ショートショートの広場 (講談社文庫)

一つの黎明期にして一つの到達点という傑作短編集
小松左京いわく「凡人が一生に一つ名SSを書くことはある。しかし星新一はそれを数十個書いている」
これは逆説的に言うとその素人(後にプロになった人もいるけど)の一生に一度の会心を集めてます。正直、これ以降のシリーズでこれを上回る濃さはないかも
「愚か者の願い」「花火」「読むな」「帰郷」「奇数」がおすすめ

2006年07月27日

Betty Davis

Betty Davis

泥臭すぎ。脂っこ過ぎ。そしてカッコ良過ぎの決定版
マイルスが壊れ、スライがイっちゃったのをよそに、女の人ってのはこんなファンキーなもんを作っちゃうのですよ。ああこわい
昨今ステージで腰を振っているような女の人を「エロカワ」なんぞいいますが
はたして腰を「振る」女と男に「振らせる」女では、どちらがエロといえるのか。ああこわい

2006年08月01日

卑弥呼 (新潮文庫)

卑弥呼 (新潮文庫)

某グルメレポーターのように
「小説のヒップホップやあ〜」と思ってしまった
といっても、決して登場人物がぶかぶかの服を着たり、ガソリンスタンドに火をつけに行く話などではなく
登場人物の祖母がDJの役割をしているということ
つまり、小説の中で小説を語り、小説内で小説の紹介をしているのだ。
これが、単なる批評として話と分裂せずに本筋とも絡みながら補足されているのである
本筋も非常に大人な味わいをもったストーリー
自分がこれを読んだのは一年前で折しもセカチュー&冬ソナのいわゆる「純愛」真っ最中のご時世。
自分はそんな現象を端で見ながら「なにが純愛だよ。あんなのプラトニックなんかじゃない。ただのグノーシスだ」なんてうそぶいていたのでした
大人になるのだって、きっと悪くないと思わせる一冊

2006年08月10日

flowers

flowers

これ、もうすぐ廃盤になるらしいです
見つけたら買った方がいいですよ。
ヒップホップを基調に
レゲエの寛容性(ボーカルが歌とラップを両方歌う。アメリカではこういう人はあまりいない)と確かな血統(ボブの娘!)
フィリーの豊かな音楽(この音質が、非常に日本の97年に似てる。つまり最高)
非常に乾いたラップの語り口に、ときおりメランコリックさを見せるメロディーに終始酔いつぶれること必死
AIもカバーした曲を含む。大名盤でございます
(ただ、AIのカバーは失敗であると思う。ラップにおけるこの曲の一番のフックである「ウラ拍だけをフロウする」という部分をなぞりきれていないからだ)
こういう多ジャンルにまたがるタイプのミュージシャンはアメリカではヒットを生みにくい中、日本で大きな評価を得た、ということはちょっと誇っていいと思う

2006年08月22日

スペインの宇宙食

スペインの宇宙食

自分がこの人の言うことを聞くという理由は
もちろん文章が抜群に面白いということもあるけど
この人がただの理論的スノッブではなく、ダンスミュージックフリークであり、リズムに正直な本能的なところがあるから
やっぱり本能に即してない人はつまんないんですよね。
これは「全部元は性欲(リビドー)だ!」と言う主張をしたフロイトの信者、というところでも非常に共感します

2006年09月01日

害虫 スペシャル・エディション [DVD]

害虫 スペシャル・エディション [DVD]

これが棚売りされてるのをみたのでw
某サイトでこれを「ハードボイルド」と書いているサイトがあって。やっと「なるほど」と腑に落ちた作品
つまり一人の少女が家庭、クラス、友情最後は全てを「切り離す」ことを描いた映画なんだと思う
ほとんど観客さえ置いてけぼりなんですが、映画に感情移入を求める人には駄目なんだろうなあ
主人公の前段階が全く話されないのが凄い。
多分宮崎あおいの最高傑作。